令和5年度 病院指標
令和5年度 吉野川医療センター 病院指標
病院指標
- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 脳梗塞の患者数等
- 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
医療の質指標
年齢階級別退院患者数
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | 125 | 56 | 124 | 189 | 266 | 502 | 1095 | 2091 | 1746 | 655 |
当院は徳島県東部II医療圏に属しており、吉野川市、阿波市、美馬市、美馬郡の一部、石井町、神山町の一部、上板町など人口約10万人に対する中核医療機関です。当院の入院患者様の年齢構成では、地域住民の高齢化に伴って60歳以上が全体の81%を占めていて、その割合は年々高くなっています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
Dファイルの作成がなく、DPCごとの集計ができないため掲載しておりません。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | 1 | 2 | 9 | 11 | 2 | 20 | 1 | 8版 |
大腸癌 | 9 | 12 | 23 | 20 | 11 | 170 | 1 | 8版 |
乳癌 | 2 | 1 | 8版 | |||||
肺癌 | 10 | 7 | 2 | |||||
肝癌 | 1 | 8 | 47 | 2 |
UICC分類とは、国際対がん連合によって定められた、原発巣(癌が最初に発生した場所にある病巣)の大きさと進展度、所属リンパ節への転移状況、遠隔転移の有無の要素によって各癌の進行度を分類するものです。当院は胃癌、大腸癌、肺癌、肝癌の症例数が多く、手術では腹腔鏡下手術も積極的に行われています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | 54 | 11.83 | 58.83 |
中等症 | 185 | 17.32 | 83.33 |
重症 | |||
超重症 | 1 | 2 | 51 |
不明 |
脳梗塞の患者数等
発症日から | 患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
3日以内 | 156 | 23.22 | 77.39 | 39.74% |
その他 | 7 | 17 | 77.14 | 57.14% |
当院は、症状の発症から早期に入院される患者様が多くなっています。転院率が高いのは当院で急性期の治療を行った後、引き続き慢性期の病院でリハビリテーションを行う患者様が多いためです。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
消化器内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 | 252 | 1.04 | 1.08 | 0.00% | 69.64 | |
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 99 | 1.21 | 11.7 | 12.12% | 77.36 | |
K6871 | 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) | 42 | 1.45 | 6.17 | 7.14% | 75.14 | |
K722 | 小腸結腸内視鏡的止血術 | 31 | 1.48 | 7.87 | 3.23% | 74.55 | |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | 19 | 0.79 | 10 | 21.05% | 70.58 |
消化器内科では大腸ポリープや腫瘍に対する、内視鏡的ポリープ粘膜切除術が最も多く行われています。また内視鏡による手術も多く行われています。
循環器内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K5463 | 経皮的冠動脈形成術 その他のもの | 83 | 1.95 | 2.34 | 0.00% | 70.92 | |
K5951 | 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの | 77 | 1 | 4.08 | 0.00% | 69.64 | |
K5481 | 経皮的冠動脈形成術(特殊カテーテルによるもの) 高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテルによるもの | 57 | 3 | 4.26 | 1.75% | 75.93 | |
K5493 | 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの | 51 | 2.8 | 3.14 | 1.96% | 71.31 | |
K5491 | 経皮的冠動脈ステント留置術 急性心筋梗塞に対するもの | 38 | 0.08 | 16.61 | 13.16% | 73.37 |
循環器内科では狭心症や心筋梗塞に対する、経皮的冠動脈形成術が多く行われています。また、心房細動等の不整脈に対する、経皮的カテーテル心筋焼灼術も多く行われています。
外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 100 | 2.89 | 5.13 | 7.00% | 69.97 | |
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 60 | 1.1 | 2.73 | 1.67% | 70.82 | |
K6335 | ヘルニア手術 鼠径ヘルニア | 27 | 1.85 | 3.37 | 0.00% | 70.89 | |
K7193 | 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) | 26 | 4.92 | 16.42 | 19.23% | 80.15 | |
K719-21 | 腹腔鏡下結腸切除術 小範囲切除、結腸半側切除 | 15 | 0.67 | 11.87 | 0.00% | 56.73 |
外科では胆嚢結石等に対する、腹腔鏡下胆嚢摘出術が最も多く行われています。また、ヘルニア手術や結腸切除術も多く行われています。
脳神経外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K164-2 | 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 | 34 | 3.47 | 16.47 | 20.59% | 77.94 | |
K6092 | 動脈血栓内膜摘出術 内頸動脈 | 3 | 9 | 9 | 0.00% | 78 | |
脳神経外科では慢性硬膜下血腫に対する、慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術が多く行われています。
整形外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0821 | 人工関節置換術 肩、股、膝 | 171 | 2.73 | 23.71 | 75.70 | ||
K0461 | 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 | 132 | 7.08 | 18.18 | 84.09 | 81.36 | |
K0811 | 人工骨頭挿入術 肩、股 | 104 | 7.18 | 18.98 | 91.35 | 84.04 | |
K0462 | 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 | 65 | 3.83 | 13.72 | 43.08 | 64.09 | |
K1426 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 椎弓形成 | 39 | 2.64 | 12.03 | 51.28 | 73.31 |
整形外科では変形性関節症に対する、人工関節置換術が最も多く行われています。また、骨折観血的、人工骨頭挿入術、脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)椎弓切除も多く行われています。
産婦人科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K877-2 | 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 | 26 | 1.04 | 4.15 | 0.00% | 50.58 | |
K8882 | 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) | 25 | 0.96 | 3.6 | 0.00% | 45.8 | |
K8981 | 帝王切開術 緊急帝王切開 | 25 | 0.68 | 6.72 | 0.00% | 31.6 | |
K8982 | 帝王切開術 選択帝王切開 | 21 | 1.1 | 6.33 | 0.00% | 32.43 | |
K8654 | 子宮脱手術 腟壁形成手術及び子宮全摘術(腟式、腹式) | 17 | 1 | 6.12 | 0.00% | 72.29 |
産婦人科では腹腔鏡下腟式子宮全摘術が多く行われています。また、帝王切開術も多く行われています。
耳鼻咽喉科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K3772 | 口蓋扁桃摘出術 | 38 | 1 | 6.79 | 0.00% | 10.55 | |
K340-5 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) | 26 | 1 | 7.5 | 0.00% | 57.85 | |
K368 | 扁桃周囲膿瘍切開術 | 18 | 0.28 | 6.44 | 0.00% | 47.89 | |
K340-6 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅳ型(汎副鼻腔手術) | 9 | 1.33 | 7.33 | 0.00% | 44.78 | |
K3932 | 喉頭腫瘍摘出術 直達鏡によるもの | 9 | 1 | 3.67 | 0.00% | 70.89 |
耳鼻咽喉科では口蓋扁桃摘出術が最も多く行われています。また、内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)、扁桃周囲膿瘍切開術も多く行われています。
眼科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K2821ロ | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) | 90 | 0.01 | 1.87 | 0.00% | 77.52 | |
K2762 | 網膜光凝固術(その他特殊なもの) | 1 | 0 | 1 | 0.00% | 42 | |
眼科では白内障に対する、水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他)が多く行われています。
泌尿器科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7811 | 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの | 64 | 2.36 | 5.27 | 3.13% | 66.17 | |
K8036イ | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) | 58 | 1.45 | 6.36 | 5.17% | 76.43 | |
K6121イ | 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) | 42 | 2.12 | 10.64 | 9.52% | 75.17 | |
K783-2 | 経尿道的尿管ステント留置術 | 24 | 1.25 | 8.75 | 4.17% | 72.71 | |
K6147 | 血管移植術、バイパス移植術 その他の動脈 | 16 | 2.94 | 44.75 | 12.50% | 74.75 |
泌尿器科では尿路結石に対する、経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるものが多く行われています。また、膀胱悪性腫瘍手術、末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)も多く行われています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | 5 | 0.32% |
異なる | 1 | 0.18% | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | 2 | 0.17% |
異なる | 2 | 0.36% | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | 1 | 0.18% |
異なる | ||||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 53 | 0.77% |
異なる |
DIC(播種性血管内凝固症候群)とは、がんや感染症などが原因で全身に血栓症が生じやすくなり、その結果非常に出血しやすくなる状態です。敗血症とは、感染症が全身に波及して生命を脅かすような臓器障害が生じた状態です。真菌症とは、かびによる感染症です。また、手術・処置等の合併症での入院が多くなっていますがその多くは、血液透析を行う際充分な血液量が確保できるように、動脈と静脈を体内または体外で直接つなぎ合わせた血管、これをシャントといいますが、このシャントが個人差はありますが透析を行ううちに狭窄してしまう場合があり、その処置に対する入院です。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが 「中」以上の手術を施行した 退院患者数(分母) |
分母のうち、肺血栓塞栓症の 予防対策が実施された患者数(分子) |
リスクレベルが「中」以上の手術を 施行した患者の肺血栓塞栓症の 予防対策の実施率 |
---|---|---|
1202 | 1089 | 90.60% |
周術期の肺血栓塞栓症の予防行為の実施は、発生率を下げることにつながります。
血液培養2セット実施率
血液培養オーダー日数(分母) | 血液培養オーダーが1日に 2件以上ある日数(分子) |
血液培養2セット実施率 |
---|---|---|
1144 | 1065 | 93.09% |
広域抗菌薬を使用する際、投与開始時に血液培養検査を行うことは、望ましいプラクティスとなります。また、血液培養は 1 セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2 セット以上行うことが推奨されています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
広域スペクトルの抗菌薬が 処方された退院患者数(分母) |
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日 までの間に細菌培養同定検査が 実施された患者数(分子) |
広域スペクトル抗菌薬使用時の 細菌培養実施率 |
---|---|---|
471 | 316 | 67.09% |
近年、多剤耐性アシネトバクター属菌や、幅広い菌種に効果を有するカルバペネム系抗菌薬に耐性のある腸内細菌科細菌など、新たな抗菌薬耐性菌(以下、耐性菌)が出現し、難治症例が増加していることが世界的な問題となっています。不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、各医療機関において抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team:AST)を組織するなど、抗菌薬適正使用を推進する取り組みが求められます。抗菌薬適正使用の鍵を握るのは正確な微生物学的診断であり、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査が必要です。