循環器内科

循環器内科

ご案内

徳島県中部から西部までの循環器疾患の診断・治療を行っております。人口過疎、医師過疎地域ですが、カバーエリアが広く、徳島県中西部の中核病院として、急性心筋梗塞、狭心症、急性心不全、不整脈など緊急の治療を要する疾患に対して迅速に対応が出来る体制をとっています。日本循環器学会指定研修施設です。
平成3年から始めたカテーテル検査は、年間1100人、冠動脈カテーテル治療は年間300~400人です。平成12年からは冠動脈内イメージングを全例に行い、細やかで確実な治療を行っています。石灰化の強い血管にはロータブレータを、動脈硬化病変が多量にある場合には、粥腫切除術を併用します。
不整脈治療は、令和3年4月より専門医が2名になり、今後増えて行くと予想されます。カルトシステムの導入により、より安全で確実な治療が行える様になっています。カテーテルアブレーションは年間約80人に行っています。
その他、下肢の動脈硬化に対するカテーテル治療、下肢静脈瘤レーザー治療を行っています。
また、令和3年4月からは、徳島大学心臓血管外科の先生が月2回外来診療を行っております。
当科のモットーは、基本的に、循環器疾患の救急は断らない事であり、そのために、スタッフ一同頑張っております。今後増加していく心不全に対しては、近隣の施設と密に医療連携を行い、更に訪問看護も活用して悪化を食い止めるよう努力致します。

外来担当表

月曜~金曜まで午前午後カテーテル検査・治療

(※1)徳島大学心臓血管外科医師 毎週火曜日(初診 8:00~10:00  再診 8:00~10:30)
(※2)ペースメーカー外来 第1~4金曜日 14時30分~

 
午前 1診 山本 小笠原 山本 角谷
(予約のみ)
山本
2診 荒瀬 荒瀬 𠮷田 小笠原 𠮷田
3診 徳大医師(※1)
心臓血管外科
午後 1診 ペースメーカー
外来(※2)
2診 静脈瘤外来
荒瀬
(予約のみ)
  • 受付時間:初診8:30~11:00、再診8:30~11:30
  • 急患については上記時間外でも随時対応させていただきます。
  • 再診は基本的には予約制度(一時間毎)とし、待ち時間を少しでも短くしたいと考えています。
    予約を希望される方は申し出てください

医師紹介

副院長山本 隆

出身大学 平成3年 徳島大学
専門 頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション
資格 日本内科学会認定総合内科専門医、指導医、日本循環器学会認定循環器専門医
日本不整脈心電学会認定不整脈専門医、日本プライマリ・ケア連合学会暫定指導医

部長小笠原 梢

出身大学 琉球大学、2009年卒
専門 冠動脈内カテーテル治療
資格 日本内科学会認定内科医、日本循環器学会認定循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定医
抱負・モットー 狭心症、心筋梗塞の治療を専門にしています。
地域のみなさまに安心して受診頂き、できるだけつらい思いをせずに治療と向き合えるよう、確かな知識と技術を身につけ、情熱を持って治療にあたります。

医長荒瀬 裕己

出身大学 徳島大学、2011年卒、徳島大学大学院 2019年卒
専門 下肢血管治療
資格 外科専門医、脈管専門医、下肢静脈瘤レーザー焼灼指導医
日本血管外科学会血管内治療認定医
抱負・モットー 徳島県、特に西部の医療に少しでも貢献出来るように精進していく所存です。

医師吉田 知哉

出身大学 徳島大学 2019年卒

医師角谷 昭佳

出身大学 東京医科大学、昭和54年卒業
専門 動脈硬化、カテーテル治療、血管内イメージング
資格 日本内科学会認定内科医指導医、日本循環器学会専門医、日本高血圧学会専門医、医師臨床研修指導医
抱負・モットー その方の歩んでこられた生涯に思いを馳せ、今後の治療に寄り添い、一緒に考えながら進めたいと思っております。

臨床工学技士

技師長 堀北 展郎
係長 大栗 洋一
赤川 裕紀

病棟薬剤師

川真田 朗子  

病棟理学療法士

割石 浩一  

主な疾患

虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、心不全、不整脈、高血圧、心臓弁膜症、末梢動脈疾患などが対象です。
検査治療件数は、カテーテル検査年間約800例、冠動脈形成術250例、カテーテルアブレーション約50例などです。

非侵襲的検査として心エコー、3Dエコー、3TMRI、256列CT等。
侵襲的検査として心臓カテーテル検査、特に冠動脈のカテーテル治療は平成12年から全例に血管内エコー(IVUS)をガイドとして治療を行っています、現在はIB-IVUS、VH-IVUS、OCT等の血管内イメージングを駆使して治療を行い、薬剤による冠動脈プラークの組織性状の変化について検討しています、また心房細動に対するカテーテルアブレーションも積極的に行っています。

生理検査

心臓超音波検査

胸壁に超音波プローブをあてて、心臓の動きをモニターに映し出す方法で、心臓の機能評価や弁膜症、先天性心疾患の有無を調べるのに有用です。
当院では年間約3500例の経胸壁心エコー検査を行っています。また、特殊なエコー検査として、経食道心エコー検査があり、先端に超音波プローブのついた管(スコープ)を飲んで頂き、食道を通して心臓の超音波診断を行います。
心臓の奥の方にある左房内の血栓の有無、弁膜症の詳細な評価、心房中隔欠損の有無などに非常に有用です。

経胸壁心エコー検査
経食道心エコー検査

運動負荷試験

狭心症が疑われる場合、安静時の心電図だけでは判断することができない場合がよくあり、運動負荷試験を行います。運動負荷試験には2段の階段の上り下りを繰り返すマスター法、ベルトコンベアーの上を歩くトレッドミル法、自転車エルゴメーターなどなどがあり、運動前後の心電図を比較することにより、心筋虚血の有無を調べます。

ホルター心電図

胸部に5つの電極をはり、一日の心電図波形を磁気テープあるいはメモリーに記録する方法です。日常での不整脈や狭心症の精査に有用です。
最近では2週間連続ホルター心電図や症状が出たときに記録できる携帯型心電計があります。

心臓カテーテル検査

細い管(カテーテル)を手首、肘、足の付け根(鼠径部)の動脈から挿入し、心臓の栄養血管(冠動脈)、左心室の造影、心内圧測定を行い、冠動脈の狭窄の有無、心臓の機能を検査します。心臓カテーテル検査は入院が必要で、基本的に検査の前日に入院し、翌日退院です。

経皮的冠動脈内治療

冠動脈に狭窄、閉塞に対して、心臓カテーテル検査と同様の方法で、カテーテルによる治療を経皮的冠動脈内治療といいます。平成22年には年間270例の経皮的冠動脈内治療を行っています。
造影所見とともに血管内の断面を血管内超音波で観察し、最適と思われる治療を行います。
基本的に治療の翌日には歩行可能であり、入院期間は約4日です。

冠動脈形成術 バルーン(風船)を用いて冠動脈の狭窄や閉塞を拡張します。
ステント留置術 ステント(金属の網の筒)を留置して血管の内張をします。
方向性粥腫切除術 動脈内にやわらかいプラーク(粥腫)が多量に存在する場合、プラークを切除する方法です。
ロータブレータ 動脈内が高度に石灰化した場合は、バルーンで広がらない事があるため、石灰化を切削する方法です。
カテーテルアブレーション  

下肢静脈瘤レーザー治療

下肢静脈瘤は日本人の40%以上にみられる非常に多い疾患です。静脈の拡張だけで無症状の場合もありますが、足のだるさ、かゆみ、筋肉のけいれんや痛みなどの自覚症状を伴うことがあります。
下肢の静脈では心臓に向かって血液を戻すため、重力に逆らい、下から上へと血液が流れます。このとき血液が逆流するのを防いでいるのが、静脈弁です。しかし、この静脈弁が何らかの原因でうまく閉まらないと、静脈の中に逆流した血液が静脈を押し広げ、血管が変形し静脈瘤が形成されます。ただし、下肢静脈瘤は血管への圧力が弱いため、動脈瘤のように自然破裂してしまうことは、ほとんどありません。下肢静脈瘤は、女性の頻度が多く、遺伝の要因もあります。肥満や妊娠、長時間の立ち仕事や座り仕事がリスク因子となります。
下肢静脈瘤に伴うむくみなどの自覚症状の治療はまず生活改善を行います。できるだけ、長時間立ち続けることは避け、途中に休憩や足の運動を行うようにします。このような生活改善を行っても効果がない場合は、圧迫療法や手術を行います。圧迫療法は弾性ストッキングや弾性包帯で外側から脚を圧迫する治療法です。脚を圧迫することで、静脈にたまっている血液を心臓に戻しやすくします。手術では静脈にカテーテルを入れて内側から血管を焼いて閉塞させる血管内焼灼術があります。局所麻酔にて、1カ所から針を刺して治療するので、体への負担が少なく日帰りや1泊2日での入院で治療できます。そして術後すぐに歩くことができます。
下肢静脈瘤は比較的簡単に治療することができます、まずは気軽に当院にご相談ください。

その他検査機器

  • 256列CT(GE製)
  • 3T MRI(フィリップス社製

いずれも高性能のCT、MRIを導入しており、外来レベルで冠動脈の検査が可能です。

血管内超音波検査(IVUS)

動脈硬化を起こした血管の中に径1mmのカテーテルを挿入し、血管の大きさや動脈硬化プラークの性状を詳しく評価する事が出来、血管内治療に併用する事により治療成績が向上するとともに危険性も事前に把握する事が出来ます.当院の検討では急性冠症候群の患者様の冠動脈プラークの退縮がその後の心血管イベントの減少につながります。

IB-IVUS、VH-IVUS

上記のIVUSの情報からより詳細なプラークの組織性状を把握する事が出来ます。

OCT(Optical Coherence Tomography光断層撮影)

IVUSより解像度が10倍高く、より詳細な評価が出来ます。

FFR(冠内圧測定)

冠動脈狭窄の定量的評価を行います。血管造影や血管内エコーを用いても治療すべきか迷う場合があり、FFRを測定する事が有用です。

以上の様な検査を日々組み合わせて行っています。それにより治療の必要性の判断、治療成績の向上や治療における危険性の低下等が見込めます。

病診連携について

月1回中部臨床研究会、年2回中部循環器勉強会を病診連携の会として行っています。

研究について

冠動脈病変についてはIVUSやOCTなどの血管内イメージングを用いて、冠動脈プラークの組織性状の治療効果について行っています。また、不整脈関連では3次元マッピングシステムから得られる情報から、さらなる治療の有効性や安全性について検討しております。
これらデータ解析結果の学会報告だけではなく貴重な経験は世界へそして後世に残すことに私たちは意義を感じcase reportも発表しています。2021年度は次の3編が各ジャーナルへアクセプトされており学術アクティビティも高まってきております。

Arase H, Takahashi T, Ogasawara K, Yamamoto T, Kawano K, Kakutani A. Viabahn stent graft in the treatment of traumatic axillary artery pseudoaneurysm. Cardiovasc Interv Ther. 2021.

Yokoyama Y, Yamamoto T, Takahashi T, Arase H, Ogasawara K, Kakutani A. A case of successful radiofrequency ablation of an epicardial conduction breakthrough site probably via the septopulmonary bundle. HeartRhythm Case Rep. 2021;7(12):825-8.

Takahashi T, Yokoyama Y, Arase H, Ogasawara K, Yamamoto T, Kakutani A. Impressive Mitral Valve Aneurysm Following Thickening of the Anterior Leaflet. Circ J. 2021.